私を構成するアルバム2020

暇なのでやります。

 

Q/Mr.Children(2000)

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・中学からずっと聴いてるミスチルの傑作。大ブレイクから深海リリース、活動休止を経た彼らが辿り着いた境地がこれ。浜崎あゆみによって連続1位が途切れセールス的には失敗したものの、ファンからの人気が高い一枚。

このアルバムには、他の作品にあるような統一感が一切ない。その混沌さが最大の魅力。一曲目の「CENTER OF UNIVERSEから早速キマってる。サイケな出だしから2番でテンポアップして戻ってこない。桜井さんの歌も何処か吹っ切れたようなヤケクソ感。まさに躁状態「NOT FOUND」なんてあみだくじでコードを決めているのに超名曲に仕上がっている。全盛期に出してたらバカ売れしてたはずだ。ボブディランの歌い方を真似た「12月のセントラルパークブルース」や、途中で語りが入る「友とコーヒーと嘘と胃袋」とかもキメてるとしか思えない。国民的バンドという肩書きを放棄した遊び心溢れる曲ばかりだ。

このアルバムには、「口笛」「つよがり」「ロードムービーといった純粋に質の高いラブソングもちゃんと収録されている。この3曲はミスチル屈指の名曲だと思う。次作IT’S A WONDERFUL WORLDからはまた国民的バンドとしての立ち位置を取り戻していくミスチル。過渡期だからこその混沌が詰まったマスターピース

 

Masterplan/Oasis(1998)

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・高校入学前後にハマったOasisは、僕が洋楽を聴くきっかけになったバンドだ。傍若無人で誰にでも暴言を吐くのに、日本人よりも邦楽っぽいバラードで大合唱を巻き起こすギャラガー 兄弟に少し憧れていたのかもしれない。

このアルバムはシングルB面を集めた裏ベストにも関わらず名曲揃い。兄弟ツインボーカル「Acquice」は何故シングルで出さなかったのかという程のアンセム。イントロからサビまで超キャッチーで明快な楽曲。Fade Away」「Stay Young」など、若さ溢れるアップテンポなギターロックは意外とフルアルバムには少ないので貴重。そしてアコースティックなTalk Tonight」「Half the world away」も名曲。初期2枚に勝るとも劣らない名盤。

 

Mellon Collie and the Infinite Sadness/The Smashing Pumpkins(1995)

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・ハードロック〜メタルとニューウェーブ〜ドリームポップが溶け合ったクセの強いスマパンの2枚組アルバム。スマパンには高2の時ハマった。スキンヘッドの大男、日系人ギタリスト、女性ベーシスト、凄腕ドラマーという個性の塊みたいなメンバー編成も分かりやすくて良かった。

このアルバムはとにかく曲が多くて体力がいるけど、ストリングス全開のクサメロアンセム「Tonight Tonight」と、変てこなリズムループに感傷的な歌詞が乗った「1979」がとりあえず必聴。基本的に静と動を繰り返すハードな曲が多いものの、時折覗くメルヘンかつゴスな世界観がノリが彼らの特徴。「Cupid De Locke」とか「Beautiful」に顕著。曲単位だと一個前のアルバムとかの方が好きだけど、全18曲という熱量含めてアルバム単位だとこちらの方が好き。

 

クムイウタ/Cocco(1998)

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・Mステ逃走事件で知ったので、メンヘラのやばい人みたいな認識だったCocco。高2の時に聴き始めた。怨念じみたメンヘラハードロックの「濡れた揺籠」みたいに暗くて重い曲が多い。X-JAPANのHIDEが中島みゆき×Nirvanaという形容をしたのも頷ける。彼女の出身地、沖縄を思わせるレゲエ風の「強く儚い者たち」も不穏な歌詞があったりして良い。

また、「髪がなくて今度は腕を切った」という衝撃的な歌詞が飛び出す「Raining」は痛みや憎しみを美しい歌へ昇華させた彼女を代表する一曲。これがシングルとしてリリースされ、チャート1位を獲得したのはすごい時代だったんだなと思う。本人の表現力と時代がマッチした名盤。

 

愛のゆくえ/きのこ帝国(2016)

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「東京」をリリースしたくらいで聴くようになったきのこ帝国。初期のメンヘラオルタナシューゲイザーから、どんどん毒が抜けていかにもJ-POPなバラードまで歌うようになった彼らの最高傑作。

このアルバム最大の特徴は柔らかで靄がかかったような音響だと思う。表題曲「愛のゆくえ」が本当に素晴らしい。初期のシューゲ路線と、「東京」以降の歌モノ路線が濁りなく溶け合った集大成のような曲だ。この曲とフィッシュマンズを思わせる「夏の影」がアルバムの中でも抜けている。そして渾身のロックバラード「クライベイビー」で締める。このアルバム出して解散で良かったのでは?と思うほどに理想的な音が鳴っている名盤。

 

Puberty 2/Mitski(2016)

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・日系アメリカ人、ミツキミヤワキ。彼女のことはこのアルバムがリリースされた少し後に知った。次作「Be the Cowboy」も大好きだけどこっちにした。Pixiesあたりからのオルタナロックと、Bjork的な雰囲気を併せ持ったミステリアスなシンガー。このミステリアス具合はCoccoにも通じるものがある。捻くれたサウンドとどこか優雅なボーカルが相まったまさにインディーな音楽。とても好き。

 

PORTAL/Galileo Galilei(2012)

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・GGをちゃんと聴くようになったのは2016年に活動休止した後だった。もっと早く聴いていれば自分の10代のアンセムになっていたかもしれない。このアルバムは、それまでの王道邦楽ギターロックからエレクトロな音色を取り入れた意欲作。この時メンバーはハタチ前後。確実に生き急ぎすぎていた。

とにかくさよならフロンティアが名曲。少年時代との決別を歌った歌詞は、前述したスマパン「1979」からインスパイアされたらしくそのエピソード含めて邦楽の中でも1、2を争うくらい好きな曲。エレクトロ×シューゲイザー「星を落とす」なんかも良い。「Good Shoes」「スワン」とか寂しげな曲もGGらしくて好きだ。

全体的に海外インディーポップを意識しているんだけど、どうにも拭えない邦楽っぽさや拙さがあってそこが良い。20そこそこだった彼らの刹那を切り取った名盤。

 

Paraiso/Yogee New Waves(2014)

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Suchmosceroと共に(ネオ)シティポップブームを引っ張ったバンド。初めて聴いたのは2ndアルバムWavesだけど、結局1stが一番良いと思う。

フィッシュマンズ譲りのサイケ感ダブ感を持ったMegumi no Amen」は、「若者のエスケーピズム(逃避願望)」と形容された初期ヨギーそのものだ。終わりゆく時代へのラブソング「Climax Night」もどうしようもなくやるせなくて寂しい。フロントマンの角舘健悟が「伏し目がちだった」というようにこのアルバムは今振り返ると内向的で後ろ向きだ。また、平和を祈念ソング「Hello Ethiopia」からはヨギーズ特有の死生観が垣間見える。

そうして内面に籠もったエネルギーは、終盤の「Listen」と「Dreamin’ Boy」で放出される。都会に生きる若者たちのエスケーピズムを描き切った名盤だ。

 

AINOU/中村佳穂(2018)

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・生まれながらの天才が良いインプットをしたらこうなるんだなと思った。邦楽史に残るアルバムだと思う。まるで音で遊んでるみたいにどこまでも自由奔放なグルーヴ。語りやスキャットも楽器の一つみたいに機能している。いちいちジャンル分けするのも野暮に思えてくる。

ご機嫌なグルーヴの「GUM」とか「アイアム主人公」はその才能を遺憾なく発揮している。一方、永い言い訳」「忘れっぽい天使」というピアノ弾き語りの2曲からは、装飾を剥ぎ取ったことで歌メロの良さが際立っている。

アルバム終盤の「そのいのち」は初聴で鳥肌が立った。まるで心臓の鼓動のような生命力のある民謡的サウンドも、「いけいけいきとしGOGO」という歌詞も生きることを讃え、全肯定してくれている。演奏が歌詞の説得力を強めているように感じる。

このアルバムが存在することがある種の希望だ。