年間ベストアルバム2019
ということで邦楽洋楽合わせて18枚のアルバムを選んだのでちょっとした解説をします。
音楽理論も知識もないので色々拙いけど、活字中毒の人は是非読んでみて下さい。
※2020年3月大幅修正しました
改めて選んだ邦楽9枚です。
①Piercing/小袋成彬
・突如リリースされた「分離派の冬」と呼ぶべきアルバム。前作の雰囲気も残しつつより音楽的に進化。多くの客演を招いた2作目にして集大成的な作品。シームレスに曲が繋がっており、アルバム全体で一つの作品という印象が強い。聴き終わった後の余韻が味わい深い。前作同様、本気なのか冗談なのかよく分からない歌詞も光る。2019年を代表するに相応しい作品。
※2020年10月追記
・上の文章を書いた3月から、途切れることなくずっと聴いている。正直ここまでハマるとは思わなかった。社会人デビュー×コロナ禍というダブルパンチを喰らいながらも強く生きられているのは間違いなくこのアルバムのおかげ。
②BLUEHARLEM/Yogee New Waves
・出た時点で邦楽年間ベスト確定だった。メジャーデビューして初のアルバムということでキャッチーな「Spring Cave e.p.」の続編みたいなアルバムを予想していたけど、その予想は良い意味で裏切られた。「Suichutoshi」と「emerald」がアルバムの核だと思う。「emerald」は角舘健悟の過剰なロマンチシズムが色濃く出ていて、艶やかなギターも相まって独特の雰囲気になっている。
③Songs of innocence and experience/DYGL
・1stも良かったけど今作で音楽性の幅がぐっと広がった。音も以前より生々しく響いてる印象を受けた。アルバムの中でも「Don’t you wanna dance in this heaven」が去年ライブで一足先に聴いた時からお気に入り。AORっぽい2曲も良かった。シンプルにロックバンドとしてめちゃくちゃかっこよくて、でもそれだけじゃない良さを持ったアルバム。
④がんばれ、メロディー/柴田聡子
・前から名前は知ってたけど、今作で本格的にハマった。全曲どキャッチーだし、ボーカルは自由奔放だし、ところどころに意味不明な歌詞が出てきてもう好きに決まってるアルバム。ベストトラックが決められないくらい全曲良い。
ギターは元、森は生きているの岡田拓郎なんだけど、優河にナツノムジナにSouth Penguinにと彼の関わった作品は軒並み素晴らしかった。
⑤Ghost Notes/Kan Sano
・まずジャケットがぶっちぎりの年間ベスト。今年はこの手のネオソウルっぽい音楽に一時期ハマっていて、これはその中でも特によく聴いたアルバム。特に「My Girl」はリピートしてずっと聴いていたい陶酔感がある。このアルバム、作詞作曲演奏からミックスまで全部彼一人でやったらしい。すごい。
⑥ANGELS/THE NOVEMBERS
・去年まで「ART-SCHOOLの親戚」くらいの印象でよく知らなかったノベンバ。TLの絶賛通りのアルバムだった。過去のあらゆる音楽を飲み込んだ上で、2019年の音を鳴らしてるみたいな感じ(?)。特に「BAD DREAM」の無敵感はすごくてイントロからもってかれる。もうちょっと多くの人に聴かれてもいい気がする。
⑦エアにに/長谷川白紙
・去年ミニアルバムをリリースした時はあんまピンときてなくて、1年かけて耳に馴染んでいった。暴力的なビートの応酬と崩壊する寸前で踏みとどまってるみたいな不安定な歌メロが新鮮。新しい感性を持ったアーティストだと思う。脳内を覗いてみたい。
⑧Traveler/Official髭男dism
・この9枚の中でメジャー過ぎて明らかに浮いてる2019年を代表するアーティスト。
「Pretender」「宿命」「Stand by you」のシングル3曲とも最近の洋楽をモロに意識したサウンドで結構尖ったことやってるのに、最終的にはJ-POPな仕上がりになっている。その他アルバム曲も色んな方向に音が飛んでいて良かった。
⑨Andless/Daichi Yamamoto
・Dos Monos、VaVaと迷った末に選んだ。
トラップはそこまで好きじゃないので、こういうメロウな質感多めのが好き。多彩なビートと客演で18曲もあるけど飽きずに聴ける。客演も中村佳穂とかフレシノとか自分がよく聴く布陣ですんなり入れた。
・本命不在だった2019年は年末に①の小袋成彬が全て掻っ攫った。⑤はこの年よく聴いたネオソウル系のジャンルを代表している。また、⑥⑦の機械的で暴力的なサウンドは2019年ならでは。
インスタの投稿では邦楽はベストEP/シングルも公開しました。
①CLOSE EYE/Age Factory
・2018年始にライブ見た時は本当にどうでも良かった。それが2年足らずで無視できない存在になってきた。それが嬉しい。静と動の緊張感があるオルタナロック。
②春の嵐/ROTH BART BARON
・北欧っぽさのあるただただ美しい曲。最後までサビを伏せておくニクい構成にやられてしまった。
③Cakes EP/Homecomings
・日本語詞が完全に定着した。リード曲はそれまでに無かった性描写もあって、でも曲調はどこまでも優しくて大好きな曲。
④Somewhere/Luby Sparks
・シューゲイザー系のバンドが80’sの要素を取り入れることで実現したポップでキラキラした世界観が良かった。
⑤Mirror Mirror EP/BBHF
・今年出た2枚のEPが一枚に纏まっていれば間違いなく年間ベストだった。GGから続く音楽的実験の到達点。もう一方のEPもとても良かった。
⑥午後の反射光/君島大空
・2019年に知ったアーティストの中では一番良かった。繊細で美しい音世界が広がるオルタナロック。
⑦朝顔/折坂悠太
・彼がまさか月9の主題歌になるなんてね。最後の展開が素晴らしかった。祈るような歌声と歌詞。
⑧めぐる EP/優河
・岡田拓郎が手掛けた自然や生命を想起させる4曲。もうこれは彼女の声質が素晴らしいと言うほかない。
⑨Summertime/RIRI, KEIJU, 小袋成彬
・最強のコラボだった。2020年代はこういう曲がヒットチャートに並ぶようになってほしい。
・2018年ベストアルバムに選んだアーティストが5組選出されている。アルバムよりもこちらの方がレベルが高かった。
〜洋楽〜
続いて洋楽。邦楽と比べて圧倒的に知識が足りないのでミーハー寄りです。去年洋楽は年間ベスト作ってなかったので先日ついでに作りました。
以下今年の9枚です。
①Coz I Love You/Lizzo
・洋楽では一番気に入ったアルバム。Tik Tokでバズったらしい。見た目のインパクトがすごいけど、歌声もとにかくパワフル。最近のヒップホップっぽいビートを使いつつ、サウンドはめちゃくちゃ派手で楽しい。Aerosmithみたいなバラードまであって良い。
②1000gecs/100gecs
・たまたま発見してしまった謎の2人組。
ヒップホップに強めの電子音やスカパンクが入ってきたりと、とにかく「混沌」を音楽にしたような感覚のアルバム。トラップとエモとEDMとゲーム音楽を魔配合したら出来た失敗作。そんな感じ。中毒性が凄くて一時期本当にこればっかり聴いていた。
③IGOR/Tyler the creator
・「バンド好きでも聴けるヒップホップ」という評判通りのアルバム。ラップと言うより歌モノ寄りで聴きやすかった。
このアルバム出るまで「おもしろジャケットの人」としか認識してなくて、聴いてなかった過去作掘るのが楽しかった。
④MAGDALENE/FKA Twigs
・高校生の頃、サマソニに出るかなんかでたまたま知った。ちょろっと聴いて印象に残ってたけどなんと5年振りのアルバムらしい。前作のスピリチュアルなオルタナR&Bからややボーカルは明瞭に。前の方が好きかなーと思いつつ今作も好き。
⑤Anak Ko/Jay Som
・去年どハマりしたMitskiとちょっと似てる。程よくチルでファジーなギターが素晴らしい。こういう女性インディーポップSSWは飽和状態とも言われるけどやっぱり好きだ。1曲目のイントロからもう最高、変な音のギターソロも最高。
⑥Origin/Jordan Rakei
・運良く来日公演に行くことができたので印象に残ったラカイくん。夏頃ネオソウルブームだったのでよく聴いていた。本当に語彙力無いけど流れるようなグルーヴに乗ったままずっと聴いていられる。こういう音楽を聴くようになったのはD.A.N.とか中村佳穂の影響が大きかった。
⑦When we all fall asleep, whre do we go?/Billie Eilish
・2019年を振り返る上で欠かせないアルバム。サブベースが効いた暗いサウンドと囁きボーカルと強烈なキャラ。マリリンマンソンみたいな曲もあるのにこれが世界的に流行るんだ…と素直に思った。
⑧Hi, This is Flume/Flume
・去年のSOPHIEや今年の100gecsの(悪)影響もあって、インダストリアルな音が心地良くなってしまいランクイン。インストが多くて歌は添え物。攻撃的な電子音は聴く麻薬。
⑨Hyperspace/Beck
・ジャケットはネタっぽいけど良いアルバムだった。音が妙にチープなのが良い。ここ数年はハイファイ過ぎてあんまり好きじゃなかったのでこの質感の方が好き。ドリーミーな雰囲気の曲も良かった。
以上18枚、僕が今年気に入ったアルバムでした。こんなの自己満足でしかないけど、ちゃんと選ばないと一年終われないので毎年恒例にしていきたいです。それでは皆様良いお年を。