10/17 the pillows ライブレポ

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先日ピロウズの30周年を祝いに横浜アリーナまで行ったのでそのライブレポを書きますね。

 

19時過ぎ 開演

・まずメンバーの幼少期の写真が映し出され、母親のインタビューが流れた。

シンちゃん:

・3冊の絵本を取っ替え引っ替えしてしてた。

・小3の時はクラスのリーダーだった。

・父親が買ってきたレコードで音楽に夢中になった。

Peeちゃん:

・生みの親と育ての親がいる。

・めちゃくちゃモテた。

・バンドのコンテストで一位になった。

さわおさん:

・片付け中に宿題をやってしまう。→要領がいい。

・小4-5年の時にクラシックギターを始めた。

こんな感じの内容でした。3人の母親が語っていたこと、東京に送り出すことの不安とファンあってこそのピロウズという話。

1. この世の果てまで (2001)

・そのインタビューを踏まえて、幕が開いてこれ。分かりやすく泣かせにいってる…。ピロウズには珍しい真っ直ぐな歌詞の熱いロックバラード。アウトロでPeeちゃんの美メロアルペジオが顔を覗かせるのがたまらなく好き。確かに一曲目に請け合い。

2. MY FOOT (2007)

・まあ演るに決まってる。13thアルバムのタイトル曲で、ツインリードのハモりが印象的な曲。ラスサビ前の「どこにいてもミスキャスト/誘われないのに断るセリフを覚えて」という歌詞がいかにもピロウズ。間奏のハモリギターが最高。

3. Blues Drive Monster (1998)

・もう最高。シンプルなギターロックに乗せて歌われるのは「皆一体どんなシステムで感情コントロールしてんだ/満員電車に乗れなくて」という平然と続く退屈な日常への苛立ち。個人的な話をすると、大学に入りたての頃同じ一週間が延々サイクルするストレスから爆音で音楽を聴いて気を紛らわせていて、その記憶がこの歌詞とリンクした。

4. アナザーモーニング (1998)

・一曲目絶対これだと思ってた。轟音オルタナサウンドに超絶キャッチーでどこまでも優しい歌メロ。「どんなに寂しくても誰も迎えに来ないよ/でも行こう生まれ変わる朝が来た」という幼少〜少年時代の自分と決別する決意表明のような歌詞も泣かせる…。

5. スケアクロウ (2007)

Oasisを思わせる雄大なバラード。Peeちゃんのギターが歌メロよりも「語ってる」感じがしてる。特にサビ。そしてドラマチックなギターソロ。この曲は一見するとラブソングだけどメンバーに向けて歌われてたはず。それを踏まえて聴くとまた沁みる。この曲やるのはちょっと意外だったけど嬉しかった。

6. バビロン天使の詩 (2002)

・変テコなギターリフでゴリ押しするあたりピロウズらしい曲。サビの疾走感やCメロでのギターポップ感もたまらない。歌詞はよく分かんないしMVはもっと意味分からない。そんな変な曲。ライブで聴いたのは初めてでこれも嬉しかった。

https://youtu.be/f0LzZhN2vmY

↑低予算MV。まるで風邪を引いた時見る夢。

7. I know you (2003)

・カントリーロック風?の荒っぽいサウンド。サビの「but I know you×4 and fallin’ love」が示す通り勢いだけで突っ切るような曲。

「こんな星なんて大嫌い 必殺チョップで今に砕いてみせるわ」って言う「キミ」…笑。どういうシチュエーション?

8. サリバンになりたい (1992)

・ものすごい初期の曲。やるかなーとは思ってたけど「俺は今でもサリバンになりたい!」というMCでブチ上がった。キレッキレのガレージロックでPeeちゃんのカッティングがカッコ良すぎてもう本当にこの曲聴けただけでも来た意味があったなと思えるような曲。ここから6曲ほど大好きな曲が続いて死にそうになった。

9. Last Dinosaur (1999)

ピロウズで一二を争う好きな曲。疾走感があるけどどこか儚いオルタナギターロックで、サビでシューゲイザーっぽくなるとこが好きすぎる。自分はこの曲を「自分らしくいるために孤独であることを辞さない、その決意の曲」だと思っている。何処でだって、誰の前でだってただ自分でいたい。

ところで再録ver.もそうだったけど、「気づかれなぁ〜ぁ〜ぁ〜いで」と伸ばす歌い方に変わったのは謎。

10. Please Mr.Lostman (1997)

・5thアルバムの表題曲であり、自分のTwitter IDの元ネタ。ピロウズというバンドが思うように世の中に受け入れられず、音楽業界の遺書のつもりで書いたアルバム。そのラスト曲。絶望と僅かな希望が入り混じって達観してような雰囲気になってる。「ねじ曲がった時代なんて関係ない僕らは出会った/それが全てだろう?」。Peeちゃんのギターは曲に寄り添うように優しい。

11. No Surrender (2008)

・意図せず震災を意識したみたいになった曲。メッセージ性の強い歌詞で「どんなに悲しくても生き延びてまた会おう」なんて言われたらライブ終わるんじゃないかと思ってしまった。

12. Kim Deal (1999)

・「永遠のオルタナティブクイーンに捧げる」というMCからこの曲。歌詞を要約すると「みんなが好きなあの曲なんてクソ!君しかいらない!」みたいな感じ。個人的な話をすると自分は高校生の頃、リアルタイムで流行っていたバンドの多くが大嫌いで、「どうしてこんな音楽がつまらない時代なんだ!」と本気で思っていた。実際のとこ自分があまりに意固地だったのと視野が狭かったのはあるけど、そう思えたからこそピロウズだったりOasisだったりにのめり込むことができたのかもしれない。それでも何かを嫌うことはエネルギーがいるし苦しくて、それを思い出して涙が出てきた。そういう思い入れ含めてこの日のハイライトでした。アアウアアウアウアアウアアウイエ〜。

13. ぼくはかけら (1990)

・変な声出た。これも初期の曲でまあ何てことない軽快なロックンロール曲だけどかなりのレア曲なのでびびった。「ぼくのやり方じゃ誰も認めないのさ」というさわおさんのエゴの強さが伺える。50代になった今でもこのノリなので推せる。

14. 1989 (2009)

・絶対やるよねそりゃ。トボトボ歩きながら呟くような演奏が、ラスサビでラウドになるエモーショナルな一曲。「ただ黙ってしゃがみ込んで 楽しそうな街にいる」。少年的な孤独や疎外感が色濃く出ていて泣ける。因みに1989年はピロウズ結成の年。サリバンからこの曲まで聴きたかった曲が続いて全曲発狂ものだった。自分が考案したのかと思うようなセトリ。

15. ニンゲンドモ (2018)

・披露された中では最新曲。さわおさんにしてはかなりリアルで社会批判を含んだ歌詞に初聴はびっくりした記憶。さわおさんの口からまさかコンビニのレジで働くタイ人が出てくるとは…。失礼ながら一旦ここで気持ちが切れた。

16. 雨上がりに見た幻 (2009)

・20周年ライブ以来10年振りに披露された。自分達を「時代も背景もそぐわない遺物」と言い放つ。それでもここまで歩いてきたんだというそんな曲。ややシリアスなトーン。

17. サードアイ (2005)

・ス○ロークス風のギターリフが印象的な疾走感のあるギターロック。MY FOOTと同じく間奏のギターのハモりや絡みが聴きどころ。ステージ後ろのスクリーンに映し出される映像がめちゃくちゃチープでいかにもピロウズという感じでした。

18. Advice (1999)

・超簡素なオルタナパンクロック。ピロウズの全英詞曲は大抵何かにキレてて、この曲も「お前のアドバイスなんていらない!失せろ!」いう内容の歌詞。シンプル極まりないギターリフからブチ上り。これは何回かライブで聴いたことあったけど何回聴いても良い。

19. Swanky Street (1997)

・名曲中の名曲。ストーンローゼスみたいなキラキラしたサウンド。歌詞は「壊れてもいいんだスピードを上げてよ/僕らが全部憶えてる」とこの時期らしく悲観からの開き直り。この曲はPeeちゃんのギターソロが神がかっていて、あの短い時間によく詰め込んだなーと。

イントロで揃わないミスがあり、やり直しになるというハプニングがありました。

20. About A Rock’N’Roll Band (2014)

・ロックの初期衝動を思い出すような、おじさん的若々しさを感じる曲。「愛がないぜ椅子取りゲーム 君とサボって床に座った」というさわおさんしか思いつかないような歌詞がすごい。

21. Little Busters (1998)

・ライブも終盤なんだなと感じた。サビとそれ以外しか無いような超シンプルなピロウズの代表曲の一つ。英語詞のサビは「大人は信用ならないぜ!」みたいな感じ。アウトロが長めのアレンジで新鮮だった。

22. Ready Steady Go (2012)

・本編ラストの曲。この曲はそこまで思い入れないので「あーやるんだ」という気分だった。曲が終わるとアンコール待機。

〜アンコール〜

23. ストレンジカメレオン (1996)

・演らない訳がない。ピロウズの転換点となっな大切な曲。音楽業界への敗北感とファンへの感謝と色々な感情が入り混じった歌詞。全てが名歌詞だけど、「君といるのが好きであとはほとんど嫌いで まわりの場所に馴染まない出来損ないのカメレオン」という歌詞が一番刺さる。孤独と疎外感、ピロウズの歌詞を象徴するかのような一節。

24. ハイブリッドレインボウ (1997)

・この2曲の流れは時系列的。ストカメで軌道に乗ったピロウズのギラギラした野心が色濃く出ている。「昨日まで選ばれなかった僕らでも明日を待ってる」。サビで歪んだギターが爆発するUSオルタナ感が最高。

〜ダブルアンコール〜

ここで名曲Thank you, my twilightが会場に流れ、観客大合唱。演奏してほしかったけどこれはこれで感動。

25. Ride on shooting star (2000)

さわおさんの掛け声で発狂しそうになった。これも変テコなギターリフや超シンプルな曲構成と意味不明な歌詞がピロウズ流のポップって感じ。この曲やるだろうと思ってたけど、まさか演らないのでは?と思ってたので発狂。

26. Funny Bunny(1999)

・まあラストは絶対この曲だと思ってた。アルバム内の何てことない一曲が、エルレのカバーやアニメ・スケットダンスで取り上げられたことによりいつの間にか代表曲へ。そして2019年10月、CMに起用されたことにより(カバーだけど)トレンドワードにまで上がるという事態に。個人的にはサビのフレーズばかり強調されるのも、エルレのカバーが原曲より有名になるのもあんまりだけどまあいいや。「世界は今日も簡単そうに回る そのスピードで涙も乾くけど」という歌詞、天才。

そして去り際、さわおさんが「音楽業界は全く信用してないけど、君達のことは信用したい」と一言。音楽業界を全く信用してないのも、ファンを信用「してる」でなく「したい」なのも如何にもさわおさんっぽくてカッコ良かった。

〜トリプルアンコール〜

27. Locomotion more!! more!! (2016)

・混雑を見越して帰る人もちらほらいる中、一曲だけ披露。アルバムラスト曲特有の短くシンプルで意味不明歌詞のロックンロール。「ヨコハマシティ」と歌詞を変えてたのも良かったです。ファニバニじゃなくてこの曲がラストなのがピロウズらしい。感傷的に終わらせない。

21時40分頃 終演

・そんなこんなで計27曲。ピロウズのライブがそもそも去年のBAYCAMP以来だったのもあつて本当に楽しかった。やってほしいと思ってた曲大体やったてくれた。ノンフィクションとか白い夏と緑の自転車、赤い髪と黒いギターとかはやると思ってけどやらなかった。全体的にロストマンからビバークまでの曲が多めで、最近の曲も割とやった。可能性かなり低いと分かってても、初期の曲だとTiny Boatとか僕らのハレー彗星やってほしかったな。とにかく曲が多いのであれこれ言ってるとキリがなくなるので、まさにベストなセトリだったと思います。

やっぱりアニバーサリーということもあり、ラブソングや言葉遊びみたいな歌詞の曲は少なめで、孤独や疎外感、フラストレーションを歌った曲や応援歌というかメッセージ性の強い曲が多かったなーという印象でした。